SDGsを契機に捉え、事業を収益化させるには(1/2)

SDGsという言葉を最近よく目にするようになりましたね。
ここではソーシャルセクターにとってSDGsを商機に捉えるための視点について紹介していきます。
 
 
まずはSDGsについて、簡単に前知識を持ちましょう。
 
 

キーワードは「誰一人」残さない。SDGsを実践するとは具体的にはどういうことか

御存知の方も多いかと思いますが、SDGsは17のゴール・169のターゲットから構成されています。
 
そして、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。
この「誰一人取り残さない」という視点は色々な観点で大切になってきます。とりあえず、この概念を覚えておいて下さい。
 
さて、それではSDGsの具体的な活動を見ていきましょう。
外務省が主導して「ジャパンSDGsアワード」という公募形式のコンペティションが開催されており、2018年12月に第二回の結果発表がありました。まずはこちらの事例から紹介します。
 
 
※こちらのサイトから、過去の結果が記載された資料をダウンロードできます。
 
 
分かりやすくHPに活動をまとめてくれているヤクルトを例に上げましょう。
 
 
上記の通り、ヤクルトがSDGsのために新しく何かを始めたわけではなく、これまでやってきたことをSDGsの枠に当てはめたらこうだった、ということが読み取れますね。 
SDGsという定義が出る前から、こうした方針を理念に掲げていた企業はこの手法で実践していると謳うことができる好例ですね。
 
 
 
 
次に紹介するのは、上記の「これまでの事業」ではなく、明らかにSDGsを意識した新しい企業活動です。
 
2019年1月15日の日本経済新聞の夕刊の一面のタイトルをご覧になられた方もいると思います。
「フェアトレード 日本企業動く」
 
 
タイトルが示す通り、帝人や楽天といった大手企業がフェアトレード認証製品を取り扱う動きが活発化しています。
 
 
フェアトレードはSDGsと非常に親和性が高いと言われています。
フェアトレード認証を行っている「NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン」にもSDGsに関する記載がありますので、ご興味ある方はご参照ください。
 
 
 
SDGsが、これまで数多にあった環境を意識した開発目標とは一線を画して普及が進んでいる要因はどこにあるのでしょうか。
 
 
 

SDGsを国が普及させようとしている理由 ~Society5.0とESG投資~

経済を重視した場合、この手の環境や人権を優先する目標は多くが重荷になります。
より安いエネルギー、より安い人件費を求めた場合、化石燃料や立場の弱い人を低賃金で雇ったほうが同じものを安く作れるのが残念ながらこれまでの世界事情です。
 
ゆえ、経済を優先すればするほど、あまり声高らかに環境目標などは掲げないほうが良いのです。
しかし、経済志向と言われている自民党の安倍総理からも、SDGsに積極的に取り組んでいくと声明を出してます。
 
その背景にあるのは、Society5.0という経済的目標と、ESG投資という金融的な動きです。
 
 
この経済的・金融的な動きが強い追い風になって、SDGsを推進しているのです。SDGsの目標の多くが環境や人権保護で占められる中、8番に「働きがいも、経済成長も」9番に「産業と技術革新の基盤をつくろう」という目標を掲げていますね。
 
このしれっと入っている8番と9番が隠れた起爆剤になっているのです。
 
 
Society5.0と、ESG投資の二つの視点は、これまで収益を上げるのが難しかった社会課題解決型活動を事業化させるための大切な視点です。
 
 
後半を読む際にもお忘れなく!